有り体に言うと,ダイナコムウェア株式会社が販売・配布している ダイナフォ ント Dynafont のTTCファイルによくある不具合を修正するツールです.
以下のようなTTFファイルやTTCファイルを修正します.
作者は,本プログラムの使用によって生じたいかなる損害も補償するものでは ありません.
あくまでも自己責任でお使いください.
フォントパッケージの使用許諾契約の文面には以下のような条項が存在するこ とがよくあります.
お客様は、本ソフトウェアのリバースエンジニア、逆アセンブル及び逆コンパ イルを含め、いかなる方法によっても、本ソフトウェアを改変、結合、修正し、 本ソフトウェアから生成されたデータを元に新たな書体データを作成すること はできません。
本ツールを用いてフォントファイルを修正することは上の条項に抵触しますが, 作者は以下のような著作権法上の観点から問題ないと考えております.
フォントファイルは『プログラムの著作物』と考えられていること.
著作権法第20条には,
著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
3. 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
との記述があり,本ツールによるフォントファイルの修正は『プログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変』であると考えらえること.
フォントファイルのヘッダは著作権法に言うところの,『創作的な表現』ではないと考えられること.よって,ヘッダを修正することは著作権の侵害に当たらないと考えられること.
ただし,作者自身が専門的な法律知識を持つわけではなく,また,国内にこう いったケースに関する判例があるわけでもないようなので,実際にどうなのか はわかりません.自己の判断と責任により使用してください.
なお,当然ですが,本ツールを使用して修正したフォントファイルの再配布は絶対に行わないでください.
以下からダウンロードしてください.
アーカイブファイルを展開したディレクトリで,以下のコマンドを実行してください.
$ make
TTFファイルの場合は, ./ttfix 修正元ファイル名 修正先ファイル名 というコマンドを実行します.
$ ./ttfix dfgotp5.ttf dfgotp5.fix.ttf
TTCファイルの場合は,同梱の ttc2ttf を使用して一端各フェイス毎に別のTTFファイルに分割し,その後 ttfix を適用します.
$ ./ttc2ttf dfgotp5.ttc $ ./ttfix face_00.ttf dfgotp5_00.ttf $ ./ttfix face_01.ttf dfgotp5_01.ttf $ ./ttfix face_02.ttf dfgotp5_02.ttf
分割されたTTCファイルは同梱の ttfjoin によって結合できます.
$ ./ttfjoin dfgotp5.fix.ttc dfgotp5_00.ttf dfgotp5_01.ttf dfgotp5_02.ttf
Dynafont の特定の種類のフォントファイルの不具合のみをターゲットとしたツールですので,それ以外のファイルや,元々不具合の無いファイルに適用しないでください. どうなるかは保証できません.
なお,手元では DynaFont Type X TrueType150 Win版(販売は既に終了しています) に含まれる,
dfgota.ttc dfgotc.ttc dfgote.ttc dfgotp2.ttc dfgotp3.ttc dfgotp5.ttc dfhsg3.ttc dfhsg5.ttc dfhsg7.ttc dfhsg9.ttc dfhsm3.ttc dfhsm5.ttc dfhsm7.ttc dfhsm9.ttc dfhsr4.ttc dfmine.ttc dfminp3.ttc dfminp5.ttc dfmrg2.ttc dfmrg3.ttc dfmrg5.ttc dfmrg7.ttc dfmrg9.ttc dfmrgc.ttc dfmrge.ttc dfsht5.ttc
については Freetype 2.1.4 / Fontconfig 2.3.2 上での正常と思われる動作を確認しました.
MORITA Naoyuki; E-mail: naohaq(— a —)ps.sakura.ne.jp